賃貸保証会社ってなんとなくわかるけど詳しく知りたい。
部屋を借りるときに「賃貸保証会社」って絶対契約しなければいけないの?
連帯保証人と賃貸保証会社の違いや、利用するメリット・デメリットは?
この記事を書いている私は、不動産賃貸の営業歴1年。
今まで15年以上さまざまな業種で営業を経験してきました。
不動産賃貸の仕組みが大体わかってきたので、保証会社の全てを解説します。
賃貸保証会社が必須の理由とは?
保証会社は、入居者が万が一(病気やケガなど)の時に、代わりに家賃を払ってくれるサービスを提供している会社です。
保証会社は入居者から「保証委託料」という名目で利益を得て商売をしているからです。
保証会社はお金がかかります
保証会社の加入時には、それなりの費用が掛かります。
なぜならば、リスクをとって連帯保証人の代わりになるからです。
保証会社を利用する際の費用について
契約時に「初回保証料」という費用が掛かります。
保証会社によって変わりますが、月額賃料総額の20%~100%が一般的です。
初回保証料の設定額が50%の場合。
家賃90,000円、共益費10,000円の場合、家賃総額は100,000円になります。
この100,000円が初回保証料を計算するの対象の金額になります。
初回保証料が50%の場合は、100,000円 × 50% = 50,000円という計算になります。
(保証料 図 挿入)
当然戻ってこないお金です。
保証会社の更新料について。
保証会社を利用する場合は、大家さんへ支払う更新料の他に、保証会社への更新料も必要となります。
この金額も、保証会社の商品によっていろいろな設定があります。
・1年毎に10,000円がかかる
・2年後の更新の時に家賃総額の〇〇%がかかる
・初回保証料と同じ金額がかかる
など、いろいろなケースがあります。
この更新料についても戻らない費用となりますので、無駄な出費を抑えたい人は、物件選びの段階で不動産賃貸会社の営業さんに事前に確認しておくことをオススメします。(`・ω・´)ゞ
保証料って高くないですか?
高いかもですが、助かることもあります。
病気やケガなど、どうしようもない事情のときの保険と同じ考え方です。
上記以外にも、家賃滞納や夜逃げなど、家賃回収が難しいケースでも保証会社が家賃を保証してくれるので、大家さんにとっては安心できるサービスとなっているのですね。
また、いろいろな理由で連帯保証人が用意出来ないという人にも役立つサービスといえます。
なので、万が一のことを考えたときに「入居者」「大家さん」ともに助かる仕組みが保証会社です。
部屋を借りるときに「賃貸保証会社」って絶対契約しなければいけないの?
「保証会社利用必須」の物件は、原則として利用しなければなりません。
基本的には、物件ごとに大家さんと管理会社が、家賃保証会社をつけるかどうかを決めているからです。
また、家賃保証会社は選べないことが多く、この部屋を借りるなら「A社かB社で」と指定されることがほとんどです。
保証会社が必須のウラ事情
保証会社を利用すると入居者が家賃を滞納した場合でも、保証会社が家賃を立て替えて支払うため、大家さん・管理会社にとっては、毎月、確実に家賃が振り込まれるようになります。
大家さんや管理会社からすれば、家賃の回収不能リスクはゼロになるわけです。
大家さんと保証会社側のホンネ
そのため、連帯保証人制度を併用するのではなく、家賃保証会社に切り替え、一本化したいという背景があります。
連帯保証人となってくれる親族がいない場合などに利用する会社なので、連帯保証人が決まっているときには、入居者さんにとっては利用するメリットがないですよね。
ただし、高齢化社会に伴って、ご家族がご高齢のため家賃の保証が難しくなっていっているなどの社会背景があり、入居申込の時点で「保証会社利用必須」とされている物件が増えてきたのです。
なので、今後はさらに保証会社利用必須の物件が増えていきます。
保証会社の利用有無については、部屋探しの時点で不動産賃貸会社の営業さんに確認しておきましょう。
連帯保証人と賃貸保証会社の違いは?
貸主が家賃の支払いを担保するためのシステムです。
賃料の未払いは大家さんにとって死活問題だからです。
ただ、現代は借主(入居者)が連帯保証人を立てるのが難しくなってきました。
なぜならば、雇用の非正規化や高齢化などが進んだ結果、親族を見ても連帯保証人になるだけの収入がないケースや、親族でもこのリスクを嫌がるからことがあるからです。
理由①:親族でも家賃滞納のリスクを嫌がるから。
理由②:雇用の非正規化や高齢化などが進んだ。
理由③:全体的に収入が下がったり、保証がなくなってきた。
上記の理由から、連帯保証人の制度が崩壊しつつありました。
そこで「保証会社」が、賃貸物件の契約時に、利用料金を取る代わりに連帯保証人となるサービスを提供するようになりました。
保証会社を利用することで、もし入居者が家賃を滞納した場合、保証会社が家賃を払ってくれるので大家さんは安心です。
ただし、家賃保証会社はあくまで家賃を立て替えているだけ。立て替えた家賃は元々支払う予定だった借主に対して家賃保証会社から請求されますので、万が一滞納してしまい、家賃保証会社に建て替えてもらった場合はすぐに支払いましょう。
じゃないと、信用情報に滞納歴が残ってしまい次に部屋を借りるときに審査が通らなくなってしまうこともありますので、、
現代のニーズから、貸主が家賃の支払いを担保するために主流となったシステムなのですね。
保証会社を使うことのメリット・デメリット
メリットの方が多いです。
入居者は連帯保証人に気を遣ったり、さがしたりしなくて良いからです。
また、大家さんにとっても家賃の回収漏れがなくなるからwin-winですよね。
ただし、入居者にはメリットもあればデメリットもあるので以下で解説します。
メリット
①連帯保証人が不要になる場合がある
家賃保証会社が連帯保証人の立場に入ることで、大家さんにとって家賃滞納分を回収できないリスクを大幅に減らすことができます。その結果、連帯保証人が立てられなかった人でも、賃貸物件を借りられるようになったのは、非常に大きなメリットです。また、連帯保証人を頼まなければならないという心理的な負担がなくなるのも見逃せない点です。しかし、家賃保証会社と連帯保証人どちらも必要な場合もありますので、この部分については、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
②審査に通りやすくなる場合がある
賃貸物件を契約する前には、入居審査が必要です。入居審査では、人柄や収入など様々な条件を考慮し、「この人は家賃をしっかりと払ってくれそうか?」判断しています。その中で、家賃保証会社を利用する事で審査に通ることもありますので、審査前に不動産会社に相談してみましょう。
デメリット
①経済的負担が増える
家賃保証会社を利用する為には、利用料金を契約時の初期費用として支払いますので、初期費用が高くなります。利用量の目安は家賃保証会社によって様々なので一概には言えませんが、家賃の30%~70%程度が多いようです。
②家賃を滞納すると厳しい回収をされる事がある
家賃保証会社は利用料をもらって家賃を担保しているので、どうしてもビジネスライクになります。家賃保証会社が家賃の回収代行を行っているという性格上、仕方がない面でもあります。債権の回収に手慣れている分、家賃滞納分の督促の電話も比較的早くから来ますし、内容証明での督促も2か月程度で送付されるケースも少なくありません。
闇金融の様に脅迫まがいのことをしてくるわけではありません。しかし、それでも淡々と法的手順に従って手続きをしてきます。滞納したからすぐに家賃保証会社が法的手続きにかかるわけではないにしても、万一滞納をした場合はプレッシャーを感じるでしょう。
③審査が通らないケースがある
もし仮に特定の家賃保証会社で過去にトラブルを起こしていた場合は、注意が必要です。家賃保証会社を決めるのは、基本的には大家さんや管理会社側になります。指定されている家賃保証会社が、以前トラブルがあったところと同一だった場合、審査に通らずに賃貸契約を結べないこともあります。
このような事態にならないようにするためにも、支払い関係はきれいにしておいた方が良いですね☺
今回の解説は以上です。
保証会社必須が増えている背景には様々な社会的要因も多のですね。
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